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【刀剣乱舞】人ならずとも

第6章 監理官の影


だから、全ては今後の為に。

それに、鍛刀を成功し、刀剣男士が増えるのは、審神者の少女にとっては何よりのことなのだから。

とはいえ、

「本日は既に鍛刀も終えられておりますから、明日以降に改められてはいかがでしょうか」

こんのすけは、○○に鍛刀を急かすことはしない。

今日は既に鍛刀を…しかも初めてのそれを終えたばかりの○○に、連続で行わせるなど論外だ。

「でもこんのすけ。急いだ方が良いなら、今からでも私は大丈夫ですけど」
「いけません」
「駄目だ」

この少女の発言には、こんのすけのみならず、蜂須賀も目くじらを立てた。

対監理官対策としては、こんのすけに一日の長がある。

それは近侍として、自らを不甲斐なく思わなくもない蜂須賀だったが、それはこれから身に着けていけば良い。

今は矜持などよりも、こんのすけの言動を見極め、○○という審神者を支える近侍として力を蓄えるべきだ。

しかし、こんのすけならずとも、今しがたの○○の発言には、蜂須賀も弾かれたように首を振った。

「鍛刀には相応の疲労を伴うと聞いている。まして、主にとっては初めての鍛刀だ。同じ日に何度も行うべきではない」

こんのすけが口を開くよりも早く、○○を諌める蜂須賀の声が飛ぶ。

監理官からの思わぬ攻勢には慣れずに後れを取った蜂須賀も、こと○○の対応は随分と板についてきたようだ。

「どうしてもというなら、早くても明日だ」
「早くても?って」

じゃあ、遅かったらどうなるんだ、とは○○は口にしなかったのだが、それは表情となって蜂須賀に伝わっていたらしい。

「理想は明後日だな」
「……え」

何も言ってないのに、と○○はぎょっとしつつ、そう言われてしまっては、ついつい返さずにいられない。

「明後日なんて、のんびりしすぎじゃないですか?明日で全然平気です」

○○にしてみれば、そもそも疲れている自覚もない。

それでも大事を取れ、と言われればその通りかも、とも思うが、それにしたって一晩寝れば十分だ…と○○は思うのに。
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