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【刀剣乱舞】人ならずとも

第5章 食卓を囲んで


本丸に二人きり(&こんのすけ)だった日々には、そんなことはなかったし、そんな元気もなかった自分…なのに。

でも、今は少し変わった…というより、本来の自分が時に顔を覗かせている、気がする。

言われたことについ言い返してしまったり、ムキになってしまったり。

いつからだろう、なんて考えても無意味かもしれないし、よく分からないが、そういえば、初めて薬研と話した時にも、思わず言い返す自分がいた。

あれがきっかけかは分からないが、こんな自分を知らない蜂須賀は、驚いたかもしれない。

彼にしてみれば、泣いて喚いて、ダメダメな○○だらけが記憶にあるばかりだろうに(それもそれで問題だと思うが)。

数瞬の間にそんな思索に耽っていた少女は、しかし、足元のこんのすけの声で我に返った。

「審神者様、審神者様?」
「え、あ、はい!あ、こんのすけ?」

見下ろせばこんのすけと目が合って、ふわり、とその目が和む。

こんのすけは、ぽてぽてとその場で足踏みするようにしながら、お邪魔をして申し訳ございません、と耳を垂れた。

「今しがた、政府から審神者様へ至急の連絡があったと、本丸が申しております」
「え……?」

本来であれば、政府と審神者との遣り取りは、専用のシステムを通じた当事者間で行われ、そこに他者が介在することはない。

だが今回は、○○が審神者となって初めての政府からの連絡であり、また、何やら急ぎの用向きであると感知した本丸システムが、こんのすけに知らせたらしい(メカである本丸システムとこんのすけのコミュニケーションについての詳細は○○も知らないが、こんのすけはこんな風にシステムとも意志疎通ができる…とは、そういえば最初の頃に説明されたかも…と○○がぼんやり思い出したのは内緒である)。

ともあれ、『至急』という言葉に、○○の肩が跳ねた。

「至急?」

『政府』という存在に、今の○○には良い印象はない。

最初のあの薄暗い空間が、政府によるものであるならば尚更、それは少女にとって身構えてしまう相手でしかなかった。

そんな○○の胸中を知ってか知らずか、こんのすけは小首を傾げながら見上げてくる。
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