第4章 密談-こんのすけ
「政府は、審神者様がその任を疎かにせずにいる限りにおいて、刀剣男士と深い関係となることを認めております」
「…ふ、ふかい…って……」
深い関係…なんて、ある種、露骨とも取れる言葉に、○○は自らの身にそんなことが起きたわけでもないのに、つい頬を染めた。
しかし、行き着くところは、審神者は人間であり、刀剣男士は付喪神である。
まるで異なる存在の恋の行き着く先は……。
「結末は、恐らくそれぞれでございましょう。ですが、有限の生命と肉体を持つ人間と、付喪神と化し、老いもなく、その生命の果てすらも、本体さえ無事であれば恐らくは無きに等しい存在との差は、大きなものであることは、確かでございます」
けれど、別ちがたい想いで結ばれ、それでも…と互いの手を離さぬ恋人達が、いずれの道行きを選ぶものか、それは、こんのすけも知り得るところではない。
ただ、稀に…本当に極稀に、ある日、唐突に審神者と刀剣男士が何処かへと掻き消えてしまうという事象が、こんのすけの耳に漏れ聞こえてくることがあった。
それが何を意味しているのか……。
神と称するには末席に類するだろう、と言われる彼らをして、しかし成せる業、それは……。
(神隠し……)
その実態は、未だ立証されていない。
何しろ、一度消えた審神者と刀剣男士の行方は、その後、杳として知れぬのだ。
真に『神隠し』であるとすれば、付喪神は己の神域へと恋しい存在を伴い、消えたことになる。
その神域の所在を求めるなど、如何な政府であろうとも、人間の手の及ぶものではない。
だからこその、これはただの噂…証立てることの叶わぬ、奇怪……。
それでも、刀剣男士は紛うことなく付喪神であり、能力も様々といえど、揺るがぬ神気を身の内に有している。
本来であれば、審神者とはいえ、人間が御せるものではない。
にも関わらず、過去の歴史を歪ませぬ為、付喪神は時の政府と契約にも似た約定を交わし、己を顕現した審神者に仕えるを良しとした。