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【刀剣乱舞】人ならずとも

第4章 密談-こんのすけ


「人間の男性に比べ、刀剣男士のいわゆる情と称されるものは希薄であるという見解を、政府は示しております。ゆえに、刀剣男士が安易に恋情を宿し、その淵へと身を沈めることはございますまい。ですが女性である貴女様には、それでも彼らが…本性は刀剣であり付喪神という人外であれ『男性』であることを、お忘れなきよう、お願いを申し上げまする」

いつか…長く共に過ごし、同じ敵に向き合う日々の中で、主従の忠義、あるいは敬意…そうしたものを乗り越えた感情が生まれぬとは、誰にも言い切ることなどできはしない。

何より、現実として過去に存在した、女性審神者と刀剣男士との恋がそれを物語っている。

だが、これが互いを思慕する、いわゆる両想いであるならば良い。

忌避すべきは…『奥の間』の機能が必要となるべきは、刀剣男士が一方的に審神者を求めるという挙に及んだ時である。

審神者は刀剣男士の主だが、その力は圧倒的に刀剣男士に傾く。
腕力も…そして、内包する『力』も……。
本気になった刀剣男士を跳ね除ける力は、審神者にはない。

だからこそ…審神者が己が身を護るべく、その砦となるのが『奥の間』だった。

その室のみが本丸の中で唯一、刀剣男士の如何なる神気をも阻む力を有している。

そんなものを必要とする瞬間などないに越したことはないが、もしも○○が奥の間へ逃げ込まねばならぬ事態に見舞われた際には、その足で駆け込むでなく、ただ、奥の間への移動を念じれば良い。

全霊でもって、これを願えば、本丸システムは審神者の異常を感知し、瞬時に本丸の主…○○を奥の間へ退避させてくれる仕組みとなっている。

とはいえ、こんのすけの知る限り、刀剣男士から逃れるべく奥の間を用いた女性審神者は極めて稀だ。

刀剣男士との関係に言及すれば、一方的な片恋による凶行よりも、互いに思慕を募らせ…やがて身も心も想いを通わせる二人…という形の方が、目下、統計的には上回っている。

もっとも、それらの仔細までをこんのすけが語ることはなかったが、あくまで過去の事実として短く口の端に乗せた後に、政府の更なる見解を少女へ示した。
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