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【刀剣乱舞】人ならずとも

第2章 初めての鍛刀


何しろ、鍛刀は一人では行えない。
自分が夢中になって鍛刀すればするだけ、それは……。
気づいた○○はとてつもなくバツが悪そうに、鍛刀部屋の式神達に低頭した。

「ごめんなさい。こんなに時間が経ってたなんて」

まともに顔を合わせたのは、この前の城内巡りを除けばほぼ初めてという相手を、ぶっ通しで働かせてしまった。

対する式神達はというと、こんなこと何でもない、とほんわり微笑んでさえくれたが、それがまた、○○には居心地が悪かった。

もしも途中で言ってくれたら、もっと早く気が付けたかもしれないのに…というのは、手前勝手な言い分だ。
○○は浮かびかけた思考を振り払う。

望んでそうなったわけでなくとも、自分はこの本丸の『主人』なのだ、と最初にこんのすけはそう言った。
刀剣男士も、この本丸に存在する式神達に至るまでが、主に仕えるものとなる…と。

だから…自分が鍛刀を望んで、もっともっと…と続けることを願ったから、式神達は何も言わずにずっと手伝ってくれたのだろう。

(私が、『主』だから……)

不満があっても、言えなかったのかもしれない。

そういう己自身も、突如として置かれた状況に未だ不満が燻っていないといえば嘘になるし、不安で…怖くて、一人になると今でもこっそり泣いていたりもする。

一生懸命働いている彼らと、そんな自分とを、ふと比べてしまえば、○○は何だか自分が恥ずかしくなった。
無論、置かれた状況も何もかもが違うといえば、それまでではあるのだが。
でも、今日のことは自分がいけなかった、と○○は素直に感じていた。

自分の都合や気持ちで、彼らを好き勝手に振り回して良い道理はない。
こんなやり方は、理不尽に自分を召喚した『政府』と似たようなものだ、と○○は自身に毒づく。

(自分の都合で相手の気持ちも考えないとか、最低……)

それは政府への憤りでもあり、同時に○○自身への嫌悪でもあった。

(あんな奴らと同じになんて、ならないんだから。絶対!)

決意を新たにするように、○○は改めて式神達に謝罪した。

「本当にごめんなさい。これからは気をつけます」
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