第2章 初めての鍛刀
そんなことはさせられない。
何より、自分がのうのうと寝るなんてできない。
絶対無理、と言い張る○○に、なのに蜂須賀は困惑の表情を浮かべるばかりで、本気で○○の主張が理解できないのか、不思議で仕方がないらしかった。
己が主人を守り、それゆえに廊下で宿直をするのは至極当然。
それが彼の中では当たり前の常識(?)であって、そこからして、○○とは価値観といって良いのか、上手く通じない部分が生まれてしまう。
今度は○○こそが困惑に陥る中にあって、そんな時、必ず仲裁に入ってくれるのが、これまたこんのすけだったりした。
お陰で…宿直をなしにはできないものの(これは蜂須賀が絶対に譲らなかった)、○○は自室である三つの間の、最も奥に当たる場所を寝室とし、襖を閉じた隣の間で蜂須賀が寝ず番をする、という妥協案に落ち着いた。
そうはいっても寝ずの番というからには、蜂須賀が眠ることはない。
それはやっぱりどうしたところで申し訳ないやら、落ち着かないやら。
そんな気持ちがどうにも拭えない○○だが、当の蜂須賀は相変わらず涼しい顔で当然とばかりの様相で。
寝ずの番…宿直とやらは、どうやら簡単になくすことはできないらしい。
だが、そんな○○にとって思いがけぬ救いとなったことがあった。