第3章 夏といえば[ダリューン裏]
「しかし、どうしましょう
保存方法が分からないのです...
食べかけのものを
そのまま冷やしてよいものなのか...」
よしきた、ここで持ちかけるべきだな
「そうですね...
名前様はもう食べ終わったのですね?」
はい、と鈴の鳴るような声で
返事をする彼女の目をみて提案を持ちかける
「では、こちらもどうぞ
食べかけですので名前様さえ良ければ、ですが」
「っ!?」
かなりびっくりした様子だったが
うなずき、耳を真っ赤にしながら
頂きます...、と消え入りそうな返答が
「よろしいのですか!?
有難うございます!」
あまりにも順応な彼女に驚くが、
そんな姿も可愛らしいと思ってしまうほど、心が正直になってしまっている自分
ナルサスの助言通り
胸元の高さにアイスをもっていく
顔をあげ、片髪を耳にかけながら
おずおずと棒に舌を這わせようとする
名前様のその姿に、ふつふつと
自分の中で沸き上がるものがある
「っ......ん」
溶けたそれを垂らさないように
小さな舌で必死に舐めとる姿は
俺の欲情を煽るばかりだ
見つめられているのに気がついたのか
上目遣いをした彼女と目が合い
舌をなおした状態でニコっと微笑まれると、今度は口を開き白い塊を咥えはじめた
これには流石に驚きを隠せず
持っていた棒を落としてしまう
「んっ!...冷たいっ」
名前様の口からも離れたそれは
1度彼女の胸を落ちてから床に落下した
晒されていた胸元に残った白い液体が
彼女の汗と混じり谷間の間に消えていく様子の
色っぽさったらない
「っ...!名前様、
申し訳ありません!」
「だ、大丈夫です、
少し驚いただけですから」
気にしないで、と付け足して下さり
いつも常備しているのか
布を取り出し、自身ではなく
俺の手を拭っていく
まさか名前様に
手を握っていただける日がくるとは
思っていなかった
彼女の白い手と自分の手との
大きさの違いに
何もかもが違うのだと改めて実感した
「...名前様」
このこみ上げてくる感情を
今、ここで、伝えるべきだと
頭の中で誰かが告げる
いつもなら踏みとどまるのだが
今日はなぜだか考える思考を持っていない
こちらを向いた彼女に
自分の、想いを、