第3章 夏といえば[ダリューン裏]
「よし、ダリューン殿、
名前様に貴殿のを食べていただこう!」
「いやいやいやいや、ギーヴ
それは流石に早すぎるのではないか
お、お、俺のを食べてもらうなど
名前様にそ、そ、そんなこと」
「ダリューン殿、
何か勘違いをしておられぬか?
手に持っているアイスを食べてもらうのだぞ」
「えっ、あっ、アイス...
勿論分かっていた、当たり前だ!」
まずい自分の頭も卑猥だった
ギーヴは深追いはせず
ふーん、とだけ言って話を勧めていく
「自分はもう腹がいっぱいだ、
とでも言って、このアイスクリームを
名前様に譲るのだ。
その時普通に受けとろうと彼女はするだろう、しかし、あえてダリューン殿の手ずから食べさせるだ」
作戦を言い渡す
知将のような語りのギーヴ
文句を言わず聞いてしまうのは
そんな名前様を見たいと思うからなのか
「そこでもっていくのは
彼女の口ではない。
少し上のほうに構えるのだ。
お主と名前様の身長差を考えれば、胸元くらいでいいだろう」
ナルサスからも助言をもらい
自分の中でもある程度予測をたてておく
しかし一国の姫君である名前様にこんな事をしてよいのか
我が主の姉上という立場でもあらせられる
そんな事を思っていても
誘惑には中々勝てないもので
ふらふらと彼女の元へ向かってしまう
そんな俺に気がついたのか
名前が素敵な笑顔をこちらに向けて下さる
「ダリューン様!
どうですか?美味しいですか?」
キラキラとした目で問われ
下心のある自分が最低に思えてきた
「は、はい、とても美味しいです。
しかしもう腹がいっぱいで...
申し訳ないです」
「いえいえっ!
謝らないでくださいダリューン様
そんな時にお出しした私のせいです...」
しゅんと落ち込む名前様をみて
子犬のような可愛らしさを覚え
思わず抱きしめたくなる
彼女の仕草1つ1つがたまらなく愛おしい