第3章 夏といえば[ダリューン裏]
「ギーヴ、貴様、何を言っているんだっ」
周りには殿下やエラム
アルフリードにファランギース殿
名前様もいる
こんな会話を聞いてほしくなくて
なるべく小声で問いかけた
「いや、な、
このアイスクリームとやら
実に卑猥な食べ物だと思わないか」
「...卑猥なのは貴様の頭だろう」
ナルサスの的確な突っ込みが入る
まぁ、彼が言わなくても
自分が言っていただろうが
「待て待て待て、
俺は真実を言っているのだ!
今これを食べている女性陣を見よ」
女性陣?
白いアイスとやらを
美味しそうに食べている
それだけだ
「おいおい、何も分からないのか?」
少し小馬鹿にするような
ギーヴの言い方に、
殴りそうになる手を抑えて
もう少しだけ話を聞いてやることにした
「あんな棒を咥えるように舐めてるんですよ」
前言撤回やはり殴る
「ちょ、ちょ、ダリューン殿
待ってくだされ!その拳抑えて!」
「抑えられるか!
お前なんてこと言い出すんだ!」
攻めと守りに入る俺達をよそに
ナルサスが口を開く
「ギーヴ、その話もっとよく聞かせろ」
「おぉ!ナルサス殿は
やはり分かってくれるか!」
ナルサス...お前も頭の中が卑猥なのか...
1人だけおいてけぼりを
くらっているような気分だ
「まず、あの形状!
俺達のモノに似ているではないか!」
「おっ、お前なに言って...!」
賛同するものがいたのが
余程嬉しかったのか
ギーヴは俺の突っ込みも聞かず
熱弁するように話を進める
「そして、
唇にたれてくるあの白い液体!
それを舐めとる仕草っ!」
ふんふんと熱心にきく
ナルサスの気もしれぬ
しかし、
まじまじと食べている姿をみると
ぞくぞくと沸き上がってくるものがある
名前様は
咥えるような事こそしなかったが
棒状の白い塊を舐めていた
たまに溶けかかったそれが
彼女の指を伝う
食べる仕草1つ1つに
胸を打たれる
ギーヴがあんなことを言ったのもあり
その行為がなんだか淫らなモノに
見えてきたのだ
「......っ」
ばっと視線を外すと
にやにやとした顔の
ナルサスとギーヴが見えた
「ダリューン殿もしっかり男ですなぁ」
「人の事をとやかく言える立場ではないな」
「う、うるさいっ、」