第4章 君の存在~藤堂平助編~
「大丈夫か?」
俺は荒れた呼吸でぐったりと横たわる志信の全身を優しく擦った。
「平助の……意地悪。」
涙を浮かべた目で睨み付ける志信が堪らなく可愛くて
「ごめんな…」
口付けようとした俺はいきなり押し倒された。
「私も……する。」
「え……何を?」
「平助を…気持ち良くするから。」
そう言うと、志信は俺の胸に口付けてから舌を這わせ始めた。
ねっとりとした動きの舌がゆっくりと確実に下半身へ向かって行き、遂にはそこに辿り着く。
血管を浮き上がらせ屹立したそれを大切そうに手で包み、滴っている先走りをちろちろと舐め取った。
「……うっ…」
俺の腰がぴくりと反応すると志信は牡茎に舌を這わせたまま、表情を確認するように俺を見上げた。
根元から先端へべろりと舐めたかと思えば、口腔で包み込み扱くように吸い上げる。
「はあ……あ……志信っ…」
「平助……気持ちいい?………んっ……」
「うっ…ああ………堪んねえ………」
嬉しそうに微笑んだ志信は、また俺への刺激を再開した。
じゅぶじゅぶという吸引音と志信の苦しそうな息遣い、牡茎に与えられる柔らかく生温かい刺激が益々俺を煽っていく。
牡茎は限界まで膨らみ吐き出してしまいそうになった瞬間、俺の脳裏に有希の顔が甦った。
あの時………俺があいつの口の中を汚した時の、有希の絶望に歪む顔………
「………止めろっ!」
そう叫ぶと志信の肩を掴んで、俺の身体から引き離した。