第2章 出会い
「僕はアラジン。よろしくねお兄さん達!」
「モルジアナです。よろしくお願いします」
「改めて、よろしくな」
勿論『よろしく』と返って来ると思いきや、なかなか返事がない。
見れば、皆金髪の少年を見ている。クオンとステファニーは呆れた様な、諦めた様な顔。銀髪の少年は何とも言えない微妙な顔。奇妙な髪の青年は笑いを堪えている。
「すまない。一つ訂正させてもらう。私は女だ」
無表情だが、何の気負いも無く堂々と言う。
「え…………」
「「「「えええええええええええええええええええ!!!!!!!」」」」
俺とアラジン。シンドバッドさんとジャーファルさんの声が重なる。
「どうしましょうシン!私達、思い切り男性として、話してましたよ」
「おおおお落ち着けジャーファル」
「あんたが、十分動揺してるでしょう!」
ジャーファルさんがシンドバッドさんに詰め寄る。
「気にしなくて良いよー。こんな恰好してる、こいつが悪いんだから。あっ、俺はシダね」
適当に挨拶を済ませる青年、シダはニコニコと、愛想の良い笑顔を浮かべている。
一番話しかけやすそう。
「俺はリカル。よろしくお願いします」
礼儀正しく挨拶する銀髪の少年は、戸惑いの表情を浮かべる姿は、年相応で可愛らしい。
「申し遅れたが私はユミカ。これから世話になる」
紳士の様に優雅にお辞儀をする。見た目だけでなく、口調まで男らしい。
「お嬢さん、さっきはすまなかった。」
「気にしていない。お嬢さんなんて、気を遣って言う必要はない」
本当に気にしていないようだ。
それどころか、シンドバッドさん相手に全く動じない。
「私からも謝ろう。紛らしくてすまなかった。できれば、あいこという形にしては、もらえないだろうか」
「そうだな。そうしよう」
「すまない。礼を言う」
それにしても、何で男装なんかしてるんだろう。よっぽどの事情がなきゃやらないよな。
「何でお姉さんは男装なんかしているんだい?」
「ん?大した理由は無い。髪は戦闘に邪魔だから切った。服は男物の方が動けるからな」
本当に大した理由じゃなかった!何なんだよ、こいつら。
「南国とは聞いていたが、やはり暑い」
「そりゃあ、そんな重そうで厚い服着てるんだ、暑いだろ」
クオンやステファニー、ユミカは詰め襟だ。