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【マギ】剣と王様

第3章 変人



  主人公Side

「だってお前、リカル君には甘いじゃん」
「当たり前だ。リカルは私の妹…………弟の様な存在だからな」

…………。

「なんだ、文句でもあるのか?」
「あるよ!言い直しても遅いから!リカル君が可愛そうだから!!」

だって仕方ないだろう。私より年下で可愛いし、女装も似合う。おまけに銀の髪も、エメラルドグリーンとアイスブルーのオッドアイも美しい。

「シンドバッド王。リカルはやらんぞ」
「あ、ああ。別にいらない」

即効言われると、逆にムカつく。

「で?何でそんな展開になったわけ?」

怪訝な顔で聞いて来るスー。

「今日、この国に良く出る海洋生物が出たらしい。それで解体して宴なんだと。あれはその衣装だ」

クオンとスーは二人して、シンドバッド王の持っている服に目を向ける。

クオンは焦った様な顔をし、スーには嫌悪が浮かぶ。

「どうしたんだ、二人共」
「ユミカが嫌がる訳だ」
「あの、凄く言いにくいんですけど……」

やはりお前達も分かるか。私はドレスだって嫌だというのに、あんな服は断固として断る。

「シンドバッド王。はっきり言おう。貴殿の持っているその服、露出が多くて下品だぞ」

その答えは予想外だったらしく、そういう顔をしている。

「シン、貴方こんなところに居たんですか!?」

凄い形相で走って来るのは、ジャーファル殿と言ったか?

「全く、貴方という人は!いい加減仕事してください!」
「いや、だが…………」
「言い訳は結構です。貯まった仕事は自分のせいでしょう」

なんだと!仕事もやらず、私にその下品な服を着るように言って来るとは。

「シンドバッド王。仕事はしっかりやれ。それが民の為になるのではないのか?民の為になるのならやるのが、王としての務めというものだろう」

ん?私は変なことを言っただろうか。シンドバッド王もジャーファル殿も驚いた顔をしている。

「仕方ない。シンドバッド王。一つ約束しよう。宴には美女を一人連れて来てやる。その代わり、仕事はしっかりやれ」

そうなれば、仕度をしなければ。もう余り時間がない。善は急げだ。
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