第2章 出会い
アリババSide
「二人共待ってましたよ!」
帰って来るとジャーファルさんが出迎えてくれた。
「さあ、早く来て下さい」
「え……。何かあったんですか?」
俺とアラジンは状況が全く読み込めない。
「急いで下さい」
そう言ってぐいぐいと俺達の背中を押す。酷く焦っている様子だ。
「モルジアナさんは用意出来てますから」
とりあえず急ぎ足で大広間に向かう。
「ほら、言っていたでしょう。今日はバッカレルラ(オリジナルでマギにはありません)から、使者の方達が来るって」
そうだった。確かにバッカレルラから使者の者が来るから、紹介すると言われていたのだった。
大広間の扉の前には、少し綺麗な格好をしたモルジアナが立っていた。
モルジアナを見て、自分の格好を見返す。
「どどどどどどどどどうしよう!俺、服このまんまなんだけど!」
「諦めてそのまま入って下さい。」
ジャーファルさんは、扉を押した。
そのまま、ジャーファルさんに付き従い中央に進む。
「あっ!お兄さん」
いきなりアラジンが声を上げる。
「アラジン。知り合いがいるのか?」
「うん。さっきちょっとね」
シンドバッドさんがアラジンに尋ねると、素直に頷く。
「失礼ですが、国王陛下。この方達は一体?」
言葉を発したのは、ひざまずいている二人の内の、ミルクティー色をした髪の少年だ。もう一人は茶髪の少年。その後ろに短槍を持ち、眼帯をした金髪の少年が立っていた。さらにその隣には銀髪の少年と奇妙な髪色をした青年が立っている。
「ああ、すまない。紹介したいと言っていた者達だ」
シンドバッドさんの言葉に、ひざまずいていた二人は立ち上がり、俺達に向き直る。
「お兄さん!また会ったね!」
「ああ、さっきはすまなかった」
アラジンは金髪の少年に手を振る。
「僕はステファニー・ロンブルソン。よろしく」
無愛想に、笑いもしない。なんだこいつ。
「俺はクオン。よろしく。こいつ、こんなん奴だけど悪い奴じゃないから」
一方クオンと名乗った茶髪の彼は、申し訳なさそうに笑う。
「俺はアリババ・サルージャ。よろしくな!」
「こちらこそ」
クオンはニコリと笑い、ステファニーは少し笑い、握手を交わした。