第2章 出会い
「おっ!いたいた。アラジン、お前どこ行ってたんだよ?」
アリババの声に、アラジンはゆっくりとした動作で振り返る。
「アリババ君。御免よ、はぐれてしまって」
「別に良いけどよ。どしうたんだ?」
アラジンは少し考え込む様に、眉根を寄せる。
「さっきお兄さんとぶつかってしまったんだけど、何か不思議な感覚がした気がしたんだ。近い内に会える気がする。」
「ふーん。それよりさ、早く帰ろうぜ。シンドバットさん達に心配かけちまう」
空を見上げると、もう日が沈みかけていた。
「うん、そうだね。今日は早めに帰って来るように言われてたものね」
二人は賑やかな街に背を向け、王宮に足を向けたのだった。