第2章 出会い
シンドリア。ここは賑やかで活気の溢れる良い国だな。
市場にはいろいろな、知らない物が溢れていて、見る者全てが珍しくて新鮮だ。
ドン!
人とぶつかってしまったようだ。
「すまない。よそ見をしていた。怪我は無いか?」
相手はまだ幼く小さい男の子だった。青く長い髪を三つ編みにした彼は、しりもちをついている。これは悪いことをした。
「うん。大丈夫だよ。」
そう言って、差し出した手を笑顔で握り、立ち上がった。
「そうか。なら良かった。悪いが、連れがいるので失礼する」
少し急ぎ気味で言い、男の子に背を向けた。
もう、彼とは会うことは無いだろう。
せれよりも、あいつ等二人はどこに行ったんだ。これじゃあ、ゆっくり市場を見学することも出来ないではないか!
独り途方に暮れ、溜息を付いた。
ーーーこの出会いが始まりだとは、誰も思うまい。