第1章 そばに
「なっ⁉︎ 失礼な〜」
綾「んー、さくらっち いじられてるわ〜」
のそのそと、歩いてきたのはトランペット担当の
東谷 綾水。
「あっ、のほのほ綾だぁw」
香「うわぁ、さくらないわぁ〜」
「ムッ」
みんなとじゃれ合いつつ、さくらの視線は
後ろにいる、パーカスに向く。
(あ…また 陽香ちゃんと喋ってる……)
山崎 陽香。とてもパーカスが上手く、面白くて
彼氏もいる素晴らしい子だ。
周りからは、「好きなタイプ想像つかない」
「初恋まだそー」 など、さくらに好きな人
がいるとは、1ミリも思われていない。
しかし、そんなさくらにも、春はやってくる。
中田 祐 同じ二年生で、この部では
貴重な男子。
一年生の頃から「可愛い」
と言われまくるほどの顔立ちだった。 あだ名は#
祐ちゃん。
背は低く、声も高かった。
しかし、今は成長期真っ只中。 二年生になったいまでは、背は中位になり、声は少し低くなった。
変わらず「可愛い」が、少し男らしい顔立ちに
なったとさくらは思っていた。