第3章 二度初め
……
勢いで誘ったはいいけど
やっぱり特に共通点ないし
やっぱり何かすごく語り合ったとかそういう
わけじゃないからなぁ
話が続かない
「……つーか、なんでオレと飯?」
こっちを見下ろしながら言う
「んー、あ、すごく偶然会ったし、なんかの縁かなぁって思って。すごいうれしかったんです。」
「ふーん、ま、ほんとに偶然だったからなぁ。」
前を向きなおして髪を手でとく
「そうですよね。」
無難に仕事の話するか
「巻島さん、こないだ言ってましたけど、東京支店の、店長ってことになるんですか?」
「店長、つか、グランドマネージャー?…まぁ、兄貴が勝手に言ってるだけだから、よくわかんねェけど。」
「そうなんですね。やっぱりすごいですね〜。」
「そんなすごいもんでもないショ。さんは、何してんの?」
「わたしは都内でOLです。」
「そっか。どこら辺に住んでんの?」
「今は蔵前ですね。」