第3章 二度初め
「よかった今日ちゃんとした格好してきて…!」
「クハッ、そんな敷居が高えとこじゃねぇショ。さん、もしかして行ったことなかった…?」
「…赤羽橋で降りたのもはじめてです。」
「ほんと?……オレ、金城に「お前の経済観念はおかしいから相手に合わせろ」って言われててそれで選んだつもりだったんだけど、まぁ、そんな日本に戻って来ていきなりじゃ無理だよなぁ。」
そうやって気を遣ってくれるところもすごく好きなんですよね…。
「そうだったんですね…場数踏んでなくてゴメンなさいです…」
「いや場数とかそういうことじゃねぇショ…。んま、とにかく今日はもう予約しちまったから、予定通りでもいい?」
「はい、全然大丈夫です。」
「じゃぁ、行くショ。」
30センチくらいの距離で
巻島さんの隣で
夜の芝公園を歩く。