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イケメン王宮の世界で。

第2章 出会い



(逃げなきゃ。逃げなきゃ。)

頭では警鐘が鳴り響いているのに足が動かない。

(逃げなきゃ。)


おじさんの目は今までの蔑みの目と一緒だ。

一歩一歩近づいてくる。

その片手には木の棒が握られていた。


「リーデルを始末したって知られたらみんなに感謝されるなー。もしかしたら王宮御用達になれるかも」


ニヤニヤと近づき私の目の前でとまる。
そして木の棒を振り上げて私めがけておろしてきた。

ガツン!!!


『・い・・痛い・やめ・・て。』



必死に両手で頭を守るが体への暴行はとまらない。



「お前たちはこの世界では邪魔で害悪にしかならないんだよ」

ニヤついた笑顔を張り付け暴行は続く。


ガツン!!

「お前達はいるだけで犯罪なんだよ」


ガツン!!


「お前を生んだ親もかわいそうだな。こんな害悪生んで」

ガツン!!!!


おじさんは足で頭を守っている私の両腕を踏みつける。


『・・ごめ・・んなさい・許して・・』


体への殴打で息も絶え絶えになる呼吸でなにに謝っているかもわからない謝罪を口にする。

頭を守る腕は踏みつけられている。頭に殴打されたら生きられない。

死んでしまう・・・


閉じていた目を少しだけ開けると木の棒を高く振り上げている姿が目に入る。


体がズキズキ痛い。
心もズキズキ痛い。


「リーデル駆除だな!!!!」


そう言って大きく棒を振り下ろした。


ガツン!!!!!!!



いままでと比べものにならない痛みが襲う。


『・・っ!!』


声にならない痛みが襲う。
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