第2章 出会い
少し歩くと露店でポップコーンが売られていた。
お腹の音を刺激する匂いはポップコーンのキャラメル味。
お店の周りにはコインを差し出す子供たちで賑わっていた。
おじさん僕にもちょーだい!!!
私が先よ!!
子供たちは今か今かと手を差し出している。
はいはい。じゃあちゃんと待ってくれてた子にね。
お店のおじさんは袋いっぱいに入ったポップコーンを女の子に渡した。
はいおじょうちゃん。10ベルね。おまけしといたよ!
人の良さそうな笑顔のおじさんがポップコーンを渡すと女の子はとびっきりの笑顔になった。
わーい!!ありがとう!!
そういうと女の子はコインを渡して走って行った。
(私も食べたいな・・・。)
ゴソゴソと服のポケットに手を突っ込んでコインがないかとあさる。
でもそこにあったのは1ベルだけ。
(これで買えるだけ買えるかな?)
いまだ賑わっているそこへゆっくりと足を進める。
何人かの子供が笑顔でその場を離れていった。片手には袋いっぱいのポップコーン。
子供たちが全員いなくなるのを待ちフードを深くかぶっておじさんに声をかけた。
『あ・・の。』
とっても小さな震える声で言ったがおじさんは聞こえてた。
「ん?おじょうちゃんもほしいのかい?」