第2章 鬼ヶ里
鬼の種族は女鬼が産まれない。さらに、人間の女は鬼を産むことがでいない。
子孫を残すため、鬼は母体に眠る胎児に印を刻む。
胎児の頃に印を刻むことによって意図的に遺伝子を組み換え、鬼の子供を身籠ることを可能にした。
だが花嫁は人間の男を惑わす刻印を持っており、鬼も例外ではない。それは、本人の意思とは関係なく男を惑わす。そしてそれは刻印をつけた鬼の力と比例し、強いの鬼ほどより、男を惑わす強い色香を漂わす。
最下級の鬼のほとんどはは花嫁を選ぶことはないが、下級の鬼は自らの手で花嫁を守る。
普通の鬼は下級の鬼に花嫁を守らせ、上級の鬼は二人の鬼に花嫁を守らせる。
さらにその上、トップに立つ鬼は―――
「僕で三翼だ。お前達、誰の花嫁に手を出しているのか分かっているよね?」
水羽の言葉にみるみると顔を青ざめてゆく。全身から嫌な汗が大量に溢れ出てくるのが分かった。
「“鬼頭”―――!」
生徒達の悟した声を聞き、勝ち誇るようにニヤリと笑う水羽。
「ご名答。この代償、高くつくよ」
男達を鋭く睨み付け、冷ややかに笑った―――