第2章 鬼ヶ里
そのあと、葉月は意識を失った。
そして分かった。
葉月が一人で思い詰めたり、悲壮感に苛まれたりしたとき、感情が自分の心に背負い込めなくなったとき、無意識に自分、そして他人を傷つけてしまう。
そしてそれが最高潮に達すると呼吸困難、過呼吸になり、最悪、
意識を失う―――
だが、彼女はその間の記憶が穴が空いたように抜けていた。
大丈夫、と呟く神無に葉月は安心してまた頷いた。
「二人とも質問ないの?」
少し暗くなった空気を瞬時に感じとり、水羽が二人に尋ねる。
「質問…?」
どこか上の空な葉月を横目に見ながら神無水羽の言葉を繰り返した。
「何を…?」
水羽、否、庇護翼全員の息を飲む音が聞こえた。
「こーいうわけや。俺らが守らなあかんかった花嫁はとっくにボロボロになっとったんや。当然やけどな」
葉月は耳を疑った。
ボロボロ…?
好きでそんなのなったわけじゃない……
この人は何ももわかっていない。
いつの間にか葉月は眠りについていた。
まるで、話を聞くことを拒絶するかのように