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第10章 2つ目


男性教師は俺達にゆっくりとした足取りでこちらに向かってくる

足を床につけるたびに体が大きく揺れ

ナイフによって裂かれた所から血液が滴る

菊丸と河村が口元に手を当てている

隣では蓮二がノートに何かを書いていく

俺はただただ男性教師を見るだけ

女子生徒達は動きを止めてこちらに視線を投げてくる

突き刺さるような視線の間をくぐるかのように

男性教師は近づいてくる

そして、自身からナイフを両手に持つと

残り5メートルくらいの所から地を勢い良く蹴り

俺達に急接近してくる

表情は狂喜に満ちており、その距離は息を飲んでいる間に詰まってしまった

パキィイン!

金属の割れる音が部屋に鳴り響く

俺達は何が起こったのかよくわからない

ドンッ!

そして、俺の目の前で急に止まった

床から足は完全に離れている、浮く事が出来るのかと考えたがそうではないそうだ

何か透明に壁に阻まれ、自分からぶつかったようだ

それを見ていた女子生徒は笑う笑う

男性教師の目に刺さっていた針は

完全に自身に飲み込まれているようにみえた

目には針の大きさの穴が開いており

男性教師は壁にもたれ掛けるようにして床へと落ちる

仰向けに床へと落ちて行ったためグシャァ...とナイフが更に奥に突き刺さる

次第に男性教師は黒い靄へと変わり

その靄は1ヵ所に集まると女子生徒の霊であった白い霧が包み込む

そのまま天井まで上がっていけば青い炎となって消えた

宙から何か光るものが落ちてきた

俺はそれを掌で受け止めて確認すると

真田が持ってきた赤いビー玉のようだ

幸「蓮二」

柳「精市、何をしたんだ?」

幸「俺は何もしてないよ」

柳「その様子だと何もわからないようだな」

幸「とりあえず、終わったと思うから一度保健室に戻ろうか?」

柳「そうだな」

振り返ると顔を真っ青にした4人が視界に入る

その後ろには何かが立っていた

白い腕がこちらに伸びている

幸「後ろだっ!」

「「!!」」

思いっきり叫ぶと皆は振り返りその腕から逃れようと自然に進路相談室へと入ってしまう

ヌルヌルとした床は滑りやすい

?「ざーんねん。あなた達は退場~」

廊下から呑気な声が聞こえたのと同時に腕が苦しそうにもがく

そのまま腕が強制的に元の場所に戻っていけば

扉の前にはメリーさんが立っていた
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