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第10章 2つ目


皆が頷いた事を確認してからドアノブに手を掛ける

幸「行くよ」

首を縦に振るのをしっかりを見てから扉を開ける

月光の明かりによって真っ赤に染まっている進路相談室

左右の壁には大量の資料が保管されている

この学校の最寄りから順に整理され

綺麗に整えられている

言われた通りに2歩進む

すると黒い霧が部屋の中心で渦巻き

壁から白い靄が中心に向かっていく

先程まで廊下を騒がせていた煩い音は全く聞こえなくなり

白い靄は黒い霧に向かって何かをしているようだ

俺達は声を出してはいけない

氷月から言われた事を忠実に守っていく

それは信頼しているからだ

テレパシー的な事を使ってまで知らせてくれた

この際、いつ本の内容を知ったかは後にしておこう

今は目の前で繰り広げられている

殺し合いを見届ける

黒い霧は段々と形をなしていく

それは無残な男性教師

体中にナイフが刺さっており、手のひらや足のつま先まで刺さっており

顔には大量の切り傷が肉の色と血の色を混ぜたような感じだ

片目にも太い針のようなものが刺さっており

まるで血の涙を流しているようにも見える

胸の辺りが一番酷く、服装が見られない程刺さっている

逆に白い靄も人の形となり、男性教師の周りをクルクルと宙に浮かんで回っている

笑っている、泣いている、怒っている、狂っている

色々な表情を表に出して

さらには女子生徒の笑い声までもが聞こえる

確かにこれじゃどちらが恨んでいるとかの問題ではなさそうだ

男性教師は自分の体に刺さっているナイフを1本抜くと

近くに寄って来た女子生徒の霊を切っていく

霊を切り終わると足元に捨てて次のナイフを抜いていく

そこからさらに血が飛び散り、辺りを本格的に赤に染めていく

俺達は息をするのが精一杯だった

真田が言っていた「家庭科室の拷問」とは打って変わり

肉の焼ける匂いはしない

だが、尋常じゃない鉄の香りがドンドン濃くなっていく

男がナイフを抜くいて少し経つと

何処からともなく進路相談室の奥から微かに風が吹き

俺達の鼻を鉄の臭いが掠めていく

男性教師は女子生徒を切っていくうちに俺達の存在に気づき

充血した片目で俺達を睨んでくる

後ろにいた桃城とブン太が唾液を飲み込む音が聞こえた
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