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第30章 白い桜の木


白川側

『......』

疲れた私達は眠った

私の胸の中で眠る彼は暖かい

どんな布団よりも重みがあるけど

その重みが愛おしくとても心地が良い

綺麗な銀髪に触れるとあの頃と何も変わらない

仁「待っとった」

『え?』

仁「お前さんから俺に触れるのを、待っておった」

『クス、言ってくれればよかったのに』

仁「何を遠慮しておるんじゃ?」

『してないよ。ただ、昔の触れてもいいのかと思ってね』

仁「ええんじゃ。少なくとも俺はな」

『そっか』

仁「怖かった。お前さんが帰って来んのが怖かったぜよ」

『雅治...』

仁「俺の知らない所で戦って、帰ってくるのか不安じゃった」

『......』

仁「もう、居なくならんでくれ。ずっと俺の傍におってくれ」

雅治はそのまま私を自分の腕で包み込む

その腕の体も震えていた

『仕事の時は仕方ないけど、休みの間は絶対に離れないよ』

仁「お前さんはすぐに予定をいれるからのう。これから毎日一緒にいてくれ」

『勿論。大学の講義までは一緒に受けれないけど、登下校くらいはしてあげるよ』

仁「そこまで暇なんか」

『暇だよ。私の通っていた所、なんか短大と一緒の扱いなんだよね』

仁「て、事は?」

『大学は卒業しました、って事になります』

仁「憎たらしいナリ」

『ちょ!雅治、あ、あははは!』

脇腹を擽られるのは初めてでとってもこそばゆかった

だから、仕返し

『まさ、はる、も!』

仁「ちょ!氷月、やめ!」

焦っている雅治の表情もカッコいい

そのまま息が続かなくなるまで2人で笑い続けた

『おはよう』

水島「氷月も受けるの?」

仁「コイツは憎たらしい事に大学を卒業しておる」

柳「2年と言う事は、短大だな」

柳生「すごいですね」

丸「外国で短大卒業って」

切「あれって大学だったんですね」

真「卒業はいい事だな」

幸「あれ?保護者みたいだよ」

『弦一郎がお父さんか、悩むね』

真「ム、なんだと?」

仁「俺と言う旦那が居って、目の前で浮気をする気か?」

水島「私の氷月だからね!」

こんな楽しい毎日が送れるなら生きていてもいいかもしれない

両親がいなくても、親戚がいなくても、もう大丈夫

私には、こんなにも心強い味方がいるから
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