第10章 2つ目
特に異常が見られなかったため慎重に2階へ上がっていく
2階の踊り場で廊下を確認してから進路室に向けて歩き出す
そして話を再開する
幸「殴られる寸前に助けが来るなんてのは都合がよすぎる。本当にたまたまだったかもしれないがそんな事で納得する俺と蓮二じゃなかっよ」
柳「いくら向こうのデータを持っているとは言え無防備には出来ないからな」
丸「奈々を救った所で俺達との接触が目的だろうと思っていたんだよぃ」
河「そ、そうなんだ...」
河村の表情はきっと引きつっているだろう、と予想する
柳「俺達と友達や話し相手になる事は、俺らの学校では高位の事らしいからな」
丸「ま、どーでもいいんだけどよぃ!」
桃「て事は、何か変えるきっかけがあったんじゃないスか?」
幸「勿論だよ。たまたま奈々と一緒にサボっている氷月を見つけて、1回話を聞いた事があるね」
丸「属に言う、拷問だぜ...」
幸「ブン太?」
丸「......」
笑顔でブン太に振り返ればブン太は顔を真っ青にして
視線を外す
青学も同じであった
俺は何かしたのかな?
柳「その時、精市は確信したようだ。氷月は自分の嫌いな行為を見つけては気まぐれで解決していくらしい事を」
菊「気まぐれって...」
幸「氷月の沸点は俺達よりも相当高いんだ。彼女を怒らせようとするには逆に手こずるよ」
丸「自分が何を言われても上がっていかないのに対して、俺達の邪魔になる行為が行われると精神攻撃してくるんだよぃ。あれは恐ろしいぜ」
そう言ってブン太はブルッと震える仕草をする
柳「彼女が完全に怒った時は「触らぬ神に祟りなし」と言った所だ」
桃「そ、そこまでッスか...」
実際、彼女の本気の怒りを見たのは1回だけだ
あの時はすごかった、俺でも声を掛ける事が出来なかった
原因は確か、一生懸命働いている奈々に
女子テニス部がボールを何度も当てる所だ
奈々は気にしないと言っていたが俺達はそれを注意しに行った
最初は注意だけで収まっていたが
やがて大切にされている事が不満だったのか
女子テニス部は俺達が目を離した隙に運動場に設けられている倉庫へと押し込んで脅しを掛けていた
ロープで縛りあげられて、首を絞めていたと