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第9章 中学校


さらに次の日になれば彼女は発見されたと言ったが

彼女の両親が交通事故で死んだと報道された

彼女もその現場に居合わせていたが

病院で入院していると担任が言った

意識不明の重体で外傷は特に見られなかったと

そして面会は出来ないため病院の名前も言わなかった

面会が出来なくても何か出来る事はあるんじゃないかと思い

担任から無理やり聞きだした

彼女は神奈川の病院に搬送されたらしく

しかも精神病院だと言う

二学期が始まって3ヶ月経った所で面会が可能となった

それを知っているのは僕だけで

初めて病院に訪れて中に入った

扉をノックして病室に入ると、見知らぬ女性がベットの隣の椅子に腰かけており

僕に気づいて席を外してくれた

先程座っていた椅子に座った

彼女は窓の外に顔を向けてボーッと見ているだけで

名前を呼んでも反応しない

やはり両親を失った事がかなりのショックなのだろうと

いつものような無表情、でも何処かが影掛かって見えた

もう一度名前を呼べば小さく肩を震わせてこちらを向いた

顔を見た瞬間に僕は息をのんだ

あれほど楽しく会話をしていた彼女の姿が何処にもなかった

あったのはまるで彼女の抜け殻

その笑顔は自然ではなく作り出されたもの

瞳はダークブルーのように酷く濁っており

右目には眼帯が

綺麗だった髪は無造作に伸ばされ

毛先は少しだけ痛んでいた

そして、かなりやつれていた

日焼けの少ない白い腕につけられている点滴が痛々しく

机の上にはいくつもの薬が袋からはみ出ていた

僕はそれを見て病室を飛び出してしまった

胸が張り裂けそうな程痛み、苦しかった

3学期に入り噂を聞いた

アイツの家族が死んだんだってよ

実は親戚とかも死んでいるらしいぜ

しかも不審死だってよ

じゃあ、アイツの呪いかよ

なら達也達もそうじゃないの

アイツが殺したんだよ

自分だけ生きてるんだからな

そうだよ

噂の影響を受けやすい桃と英二は

達也を殺した犯人じゃないかと白川さんの事を酷く嫌った

そして、そんな噂が飛び交う中

病院を退院して学校にも戻って来た

出席日数と成績をなんとか取り戻た

卒業式には出ず

後日、校長室で小さい卒業式が開かれた

たまたま学校に顔を出していた僕は

卒業証書の筒を片手に正門を去って行くのだった
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