• テキストサイズ

ゲームはお好き?

第9章 中学校


達也はテニス、上手いですか?

僕は耳を疑った

彼女が最初に口を開き、人の名前を口に出したかだ

理由を聞けば彼女は達也と同じ小学校から来たと言った

他にも3人いるんだと綺麗に微笑んで言った

僕がテニス部に所属している事はクラス中では知っている事

だから今、身近にいた僕に聞いたんだろうなと考えた

好きな人でもいるの?と聞けば

彼女は微笑んで、いません、と答えた

その目は嘘を付いていない目だとすぐにわかった

真っ直ぐな子なんだなと

教室の教卓にノートを置けば

彼女は自分の席に座って自分の持っている本に目を落とす

誰を待っているの?と聞けば

先程話した友人4人を待っているんです、と答える

彼女は達也達と帰るために待っていたようだ

その日がきっかけとなり僕達は毎日話し合った

話をすれば彼女も話しやすい人物の1人であったと確認する

隣の席であるから授業中でも話したり

時々一緒に昼ご飯を食べる事もあった

彼女の好きな食べ物、嫌いな食べ物

彼女の得意科目、不得意科目

彼女の好きな事、嫌いな事

趣味や特技など、色々な事を知った

そんな日を毎日過ごしていれば

僕は不思議な彼女に心を奪われた

彼女は部活が終わった彼らと合流すれば

5人揃って昇降口を出て正門に向かう

正門から出て駅に向かう途中で買い食いをよくしている

基本、彼女は買い食いをしないのだが

部活終わりの4人はコンビニによったり

ファーストフード店に行く事が多かった

そして、気づけば3年生になり2学期が始まった

いつものように彼らを待っているからと教室に1人残して部活に向かう

達也もいつも通りに帰り支度を済ませて校舎に走る

最終下校15分前の鐘が鳴る頃には昇降口に立っているのに

その日は見なかった

教室で部活が長引いた友達でも待っているのだろうと

自分の教室に目を向けても誰もいなかった

なら迎えに行っているかもしれないんだなと思い

その日を境に白川氷月がこの世から消えた

次の日に学校にこれば担任が切羽詰まった表情で

白川さんが行方不明になったと言った

それを聞いた僕は昨日の事を思い出す

担任に昨日の彼女の事を聞かれれば

何処も変わった様子はない、と僕は答えた

達也にも変わった様子は見られなかった
/ 321ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp