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ゲームはお好き?

第9章 中学校


入学式が終わって教室の席に着いた

担任の先生は軽い人だったから自由席で良いと言った

僕は一番後ろの席に座ろうとしたら既に先客が座っていた

そして、その先客の隣に座る事にした

水のような綺麗な髪をなびかせ

澄んだブルーの瞳は、相手の心を読み取れるのではないかと思う

顔もそれなりに整っており、笑った時の表情は

とても自然で柔らかいものだった

それが初めて白川氷月を見た時だ

学力テストも終われば部活動体験が始まり

部活動体験が終われば本入部

授業もそれなりに始まっており

中学生にとっては手一杯な日々を送る

移動教室の場所、日に日に変わる時間割、教科毎に違う先生

それだけでもどまどっているに対し

彼女は冷静に1つずつこなしていく

その行動の1つ1つがまるで未来が見えるのではないかと思うくらいに

彼女は普通の事しかしてこない

宿題は家でしっかりとこなし

先生に当てられてもちゃんと答えを出している

頼まれ事も程度に受け、授業にも出席をする

当たり前の事を当たり前にこなす事の出来る彼女に

不思議な魅力と恐怖が沸いた

新しい生活環境下の中で当たり前のように過ごす

それがどれだけ大変なのかを知っているからこそ

そんな彼女に恐怖を抱く

彼女には話し掛けにくい容姿でもあり実際に会話の数も少ない

話し掛ければフワリと笑顔で答え

話し終われば無表情で本に目を落とす

人見知りなんだなと思う

本入部では今此処に居るメンバーの他に達也とも出会った

彼は明るくて元気な印象が強かった

成績も優秀でテストなんかも上位をキープしている

付き合いもよくて話し上手

相手と話していると相手に合わせて話を持っていく

昨日のテレビなんか見た?

から始まるのに終わりの方になれば昨日とは全く違う話で1日が終わる

彼と付き合っているととても気分が良い

3学期に入ってすぐに先生からの頼まれ事

たまたま廊下を歩いていた白川さんを巻き込んでしまった

何故か彼女は最終下校時間まで残っているのだ

部活には何処にも所属しておらず

待っているのは教室か図書室のどちらかである

先生に渡されたノート類を教室に運ぶ間に何か話しておこうかなと考える

彼女は基本無口であり、自分から口を開く事は一切ない
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