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ゲームはお好き?

第8章 1つ目


落ちている真っ赤なビー玉を拾い上げて掌に乗せる

切「なんスか?ビー玉?」

『これが鍵になるんだ。7番目のね』

仁「じゃが、本には書かれておらんかったぜよ」

『これは向こうにとってはゲームだ。赤也、敵からドロップ品が落ちた時どうする?』

切「えーっと、なんかの価値になるかもしれないから持ち帰るッス!」

『と言う事だ。それに、5番目まで行けば本に「忘れていたわ」とか言って追加される』

真「それからでは遅いのか?」

『遅くはないけど、他のザコが持っていっちゃうんだ。その前に回収しておかないとね、はい』

持っていたビー玉を弦一郎に渡す

真「何故俺が?」

『私が持っていてもなんの役にも立たないし、弦一郎は幽霊の類を寄せ付けない体質みたいだからね。一番安全だよ』

切「そうッスね」

仁「そうじゃな」

『じゃあ、帰ろう』

扉に立って廊下を確認した後に歩き出す

機嫌が良いのか悪いのかわからない赤也を先頭に

後ろからストッパーの弦一郎が歩き

その後ろに私と雅治が歩く

先ほどと同じように手を繋がれている

私の足が笑っている、視界が霞む、体が重い

壁に片手をつけているが、限界だ

仁「氷月?」

急に止まった私を雅治が心配そうな顔で覗きこんでくる

『......』

嘔吐感がそこまで込み上げている

壁にもたれかかれば後ろから付いて来ないのがわかったのか

2人も遅れてこちらに向かってくる

切「氷月先輩!」

真「どうした!」

話をしたいのは山々なんだが、話す事が出来ない

頭が痛い、体全体に力が入らない

自然と片手は胸を押さえていた

仁「気持ち悪いんか?」

目で合図を送る

切「さっきの異臭ッスか」

真「氷月はあれだけ近くで、しかも会話までしていたからな」

仁「解決した事に浮足立って忘れておった。大丈夫じゃなさそうじゃ」

息を吸っていると嘔吐感は奥底へと落ちて行くが

吐き出す時に込み上げてくる

自然と息は浅くなり、酸素が十分に確保出来ないために頭痛が追い打ちを掛けてくる

仁「かなり揺れるが、無理だったら手を強く握りんしゃい。わかったか?」

雅治に抱えられて手を握らされる

そのまま頷く事も出来ないので目で送る

仁「ん、行くぜよ」

雅治の体が上下に動けば

嘔吐感はさらに込み上げた
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