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ゲームはお好き?

第8章 1つ目


私はジリジリと距離を詰めて行く

3人には個人で結界を掛けたと言ったが

中に入って一度足を止めた時点で結界は地面に固定された

今頃3人は結果を壊すのに必死だろうな

『あなたは料理が好きなの?』

「オ...マ...エ...キ...ラ...イ...」

真っ黒な人間モドキは私に炎を投げる

印を結び、結界で打ち消す

『あなたは家庭科実習を楽しみにしていたんだね?』

「キ...エ...ロ...」

再び炎を投げてくる、先程よりも一回り大きい炎を

それも結界で打ち消す

『あなたは何が得意なのかな?』

「ア...ツ...イ...」

距離はかなり縮まっていた

ようやく相手の全体が目視出来る

残り15歩くらいで完全に0距離になる

相手の子は刺された個所から赤黒い液体を流し

皮膚は完全に黒く焦げていた

そこから肉が見えれば、所々黒く変色している

髪の毛はそのまま残っているに対し

顔はグチャグチャになっている

片目は瞼から飛び出しており、神経系などの線で垂れ下がっている

唇はほとんど役目を果たせておらず

歯がむき出しの状態になっている

人肉が焼けるむせ返る程の異臭を体全体で感じながら

完全に胸焼けを起こしている自身に片手を当てる

息をすれば自然に入り込んでくる臭い

息を吐き出せばそのまま胃酸を出してしまうのでは、と

目の前が霞掛かる、意識が遠のく

此処で眠ればきっと楽になれるだろう、楽に

?「氷月っ!」

『!』

後ろから叫び声に似たものが飛んで来た

この大声はきっと弦一郎のものだろうな

諦めたら死んだら墓の前で精市に精神攻撃を永遠とされるだろうな

奈々の我が儘も永遠に聞かされるんだよね

でも、永遠に聞かされたくないから

胸を押さえていた片手を天に上げ

『降れ...』

下ろす

バシャァ!

上から水の塊が落ちて来て彼女を包み込むと一瞬で弾ける

近くの炎が消されて少しだけ暑さが和らいだ

『暑いんだろ?これで話が出来るかな?』

「ドウ...シテ...」

彼女は水が弾けたのと同時に床に倒れた

起き上がる事も出来るだろうに

顔を上げて私を見つめる

本当にその目で私が見えているのかと思うが

『話で解決出来ればそれに越した事がないからだよ』

本音を少しと、嘘を少し
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