第8章 1つ目
熱気が来てもおかしくない不思議さんですよね
目の前に広がっていたのは炎の海だった
実際にそうであり扉の目の前まで炎が迫っていたのだ
この中に入って解決しろって
1つ目から問題があるんじゃないですかね?
七不思議さん方
仁「どうするんじゃ?」
『解決すればあの炎は収まるんだけどね。問題は侵入だよね』
真「此処で話していても結果は出るのか?」
切「危ないんスから早く帰りましょうよ」
『私個人が帰りたくないんだけど...』
あの場所に帰るのは少しばかり嫌だ
あの青学達の視線が大嫌いだから
『仕方がない、強引策その1を試すか』
切「相手はそれで怒らないッスよね?」
『さあ、怒るんじゃない?』
切「氷月せんぱ~い...」
半ば半泣き状態の赤也を見てから2人にも顔を向ける
仁「試すんか?」
『上手くいけば此処で解決出来る』
真「危険ではないのか?」
『弦一郎、もうこの空間に飛ばされた事自体が危険なんだよ。今頃そんな事を考えていれば逆に命取りになるよ』
真「しかし」
『大丈夫だよ。私が守る。出来るだけね』
今できる精一杯の微笑みをすれば
弦一郎は額に片手を当ててため息を零し
赤也は半泣きのままこちらを見てくる
雅治は何処か楽しそうにほくそ笑んでいる
呪文を唱えて軽い結界を個人に掛ける
『暑さはしのげないけど、炎から身を守る事は出来るよ』
切「せんぱーい...」
真「腹を括れ、赤也」
仁「そうじゃ」
『じゃあ、再び』
扉を開けて中に入る
暑さは尋常じゃなかった
熱気なんて優しいものじゃない
火山の噴火口の近くにいる気分になる
廊下から入り直線に進む
廊下と壁のちょうど真ん中くらいに立って辺りを見渡す
「ア...ヅ...イ、イ...タ...イ」
「『!!』」
何処からか声が聞こえる
教室の真ん中の方を見れば黒い何かがこちらに向かってきている
それは亀くらいの速さで
高さは私よりも少し低いくらい
『此処で待ってて、暑くて無理だったら外で』
仁「氷月!」
雅治の言葉を無視してソイツに向かって歩いて行く
「ニン...ゲン...、オンナ...」
ソイツは私を見ている
だがこちらからでは燃え盛る炎が邪魔をして相手を目視する事も困難だ
しかし、嫌な臭いだけはしっかりと伝わる