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第7章 ゲームスタート


幸村側

仁「確かに、お前さん達の方が重いのう...」

柳生「ある意味、精神が先に持っていかれますね」

『そうだね。自分の精神はとっくの昔に持ってかれているからね、気をつけて』

真「ウ、ウム...」

『慣れは恐ろしいものだよ』

ジャ「き、気を付けるぜ...」

満月の色が変わってから

氷月の纏っている空気が完全に変わった

忠告しているようで、何処か楽しんでいる

そんな風に見えてしまう

俺達を見て楽しんでいるのか?

違う、氷月の性格上それはありえない事だ

普段の彼女は、霧に包まれ一寸先も見えない状態

だが今は全く違う

霧を自ら掃い、全てを明かし目視出来る状態

見えるが故にそれが恐ろしく思う

今の彼女は何処を見ているのだろうか?

何を楽しんでいるのか?

〈自分の精神はとっくの昔に持ってかれているからね)

一般人とは違う、だが見た目はただの女子高校生

3年前の七不思議で全てを失った仁王の同居人

精神が持っていかれている?

......違う

精神が持って「いかれて」(壊れる)いるんだ

精神が安定してない状態

だから医師やカウンセラーは氷月の事を

正常と判断しなかったのか

氷月は自分が壊れていると言った

それは死に対する恐怖もなくなったと言う

あの時に変わっていたんだ

来てすぐに変わったんじゃない、氷月の友達がした裏切り行為によって

氷月の精神は完全に持って「いかれた」んだ

俺達が死に近い場所を歩きながらも

氷月は俺達よりも危険な橋を渡っている

このまま放っておけば帰って来れない

氷月にとっての

解決=死

ではないのか?

考えが深まれば深まるほど背中から嫌な汗が流れる

この考えが間違っていなければ

氷月の濁った目には未来が見え過ぎていたんだと思う

見え過ぎるが故に足元を見失った、濁った、見えなくなった

『精市、どうかした?』

幸「いや、なんでもないよ」

彼女は、笑っている

妖しく、綺麗に、美しく、笑っている

切「部長、顔色が悪いッスよ?」

水島「大丈夫?精市?」

幸「課題テストの事を考えていたら、ね」

ブン太を含め3人を見る

3人は視線を逸らして、顔色を青くさせた
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