第6章 経験者
中学3年生の秋、ちょうどこのくらいの時間帯だったかな?
その日は遅くまで学校に残り部活に励んでいた
私は帰宅部だけど、4人を待っていた
4人はその日を部活の引退と決めていたから
5人の集合場所は私のクラス
5人で集まって廊下を歩いている時に、此処の空間に飛ばされた
昇降口も閉まっており、窓も開かない
事務室に行っても、職員室に行っても、図書室に行っても
誰1人と人が見当たらなかった
恐怖に怯えている時に汐音が立ち上がった
汐音はホラーが大好きだったから
図書室に何か手がかりがないかと見てみたら
誠二が不思議な本を見つけた
それがこの真っ黒な本だった
先程と同じ事が起きて中身を見ると参加者人数は5名と書かれてあった
一番後ろのページには大量の名前が存在した
柳「これは...」
『一番後ろに載っている名前は全て、此処で死んだ者。いわゆる脱落者の名簿だよ。背表紙には私達の名前が書かれているよ』
柳「ああ、そうだな」
『その中でも、赤の名前で表記されている者は絶対に死ぬ運命なんだよ』
柳「氷月...」
皆の名前は黒の表記、私の名前は赤の表記
話を戻そう
1つ目から七不思議を解決して行く事に問題はなかった
5つ目が終わり、6つ目のヒントが表示された
内容は
『化学室に1つ贄を出せ。贄をその場に封じて廊下を走れ。さすれば次の不思議が浮かぶ』
柳生「矛盾、してますね」
『そう、矛盾している』
1人でも死んだら皆が帰れないのに、だ
それでも彼らには考えている余裕がなくなっていた
多くの事を解決してきたと言え精神状態は最悪だ
じゃんけんで不運にも私が負けて紐で手首を足首を縛られた
皆にどれだけ言っても聞く耳持たずだった
逃がさないようにするだけ、なのに彼らは壊れる私を見たくて
カーテンを閉め、扉には鍵をした
化学室のど真ん中で真っ暗闇の中に放り出された
勿論、もう自分もすでに壊れていた
考えている事は死に方だった
七不思議に殺されるとはどんな事なんだろうか?
七不思議はどうやって殺してくるのか?
七不思議の化学室にはどんな話があったのか?
自分が生き残る事は何1つ考えられなかった
いや、考えがなかった
闇の飲み込まれたからだ