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第5章 準備


白川側

奈々に押さえつけられた胸が痛い

それは物理的に痛いのか精神的に痛いのか

きっと両方の気がする

後ろから少しだけ距離を開けて歩いてくる皆

一番後ろには奈々の姿が見える

仁「奈々はお前さんの事を思っていったんじゃよ」

『...わかってる、つもりだった』

仁「なら、わかっておるな?」

『勿論』

謝らないといけない

今まで隠してきた事を全て言って

わかって貰おうなんて思ってない

ただ、今までの隠し事を包み隠さず全て明かす

それからでも、きっと遅くはない

『雅治』

仁「なんじゃ?」

『全部言う、皆に』

隣の雅治の表情を確認する

彼の表情は真剣な表情なのに、何処か嬉しさが見える

『手伝ってほしい』

仁「わかったぜよ」

微笑んだ、優しく微笑んでくれた

『雅治』

仁「なんじゃ?」

『...酔った』

仁「...は?」

雅治が急に足を止めると後ろの皆も止まった

廊下が二重に見えて、奈々からのダメージが...

柳生「どうかしましたか?」

後ろから比呂士が声を掛けてくる

仁「酔ったんじゃと」

丸「酔った?」

ジャ「何処に酔う要素があった...?」

もう少しで図書室なのに、自分の体が恨めしい

仁「もう少しじゃ、頑張りんしゃい」

『...わかった』

胸の辺りがモヤモヤする

再び歩き出した物のもう目の前は霞んで見える

目を凝らしても視界に入って来る情報は大きく揺れている

扉の前に立ち、蓮二が開けた

柳「ム、開いているぞ」

『向こうでも開いてるからね』

真「向こう?」

『中で話すよ』

とりあえず中に入る

高校の図書館となんの変わりもない

ただ、人がいないのと周りの色が違うだけだ

綺麗なライトブルーに照らされた空間はまるで水の中にいるみたいだ

雅治はそこから一番近い長机の席に座らせてくれた

『頼んでもいいかな?』

仁「了解ナリ、柳生」

柳生「はい?」

雅治には全て話してあるから次の行動がわかっている

雅治は比呂士を呼んで本棚へと足を運ぶ

『えーっと、ちょっと待って...』

丸「なんじゃこりゃっーー!!!!」

ブン太が急に叫びだし

皆の視線はブン太の向いている方向に向けられる

切「ゆ、ゆゆゆ、幽霊!!!!」
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