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第5章 準備


壁に追い込むだけだった

『かはぁ!』

壁に勢いよく当たり氷月の上体は下がっていく

水島「ねえ!いつからなのっ!いつからこんな体になったのっ!何でっ!どうしてっ!」

どうして...っ!

力なく壁に体を預けながら座っていく氷月

腕を胸に押さえつける

そこから氷月の命が伝わって来る

氷月の体が沈み切った所で私は追い打ちをかけてしまった

水島「なんで言ってくれなかったのっ!なんで黙ってたのっ!なんでっ!なんでっ!!」

体重を全て氷月に乗せてしまう

『くっ、奈々...』

辛そうな掠れた声、それは私に届かなった

氷月の骨がギシギシと悲鳴を上げている

私の目からは涙が零れており、服を濡らした

水島「信用してよっ!私達は裏切らないっ!もう突き放さないっ!だからっ...!」

『奈々、ごめん』

優しく頭を撫でられて、涙がドンドン零れて、止まらなくて

水島「氷月は隠し事が下手、なんだよ...。」

前が見えなくて、それでも腕の力は強くなって

幸「奈々、そこまでだよ」

私の腕には精市の手が置かれていた

切「奈々先輩...」

もう片方の腕には赤也の手が

柳「これ以上はやめた方がいい」

丸「ほんとに氷月が死んしまう...」

水島「!」

それに気づいた私は氷月から離れた

掴んでいた襟を離して、後ろに倒れこむ

ジャ「おっと」

後ろでジャッカルが支えてくれた

仁「大丈夫か?」

『ま、ね』

雅治が氷月に近寄り体を支えて立ち上がる

氷月は作り笑顔で胸の片手を置いている

『話が聞きたいんだろ?とりあえず図書室に』

雅治に肩を借りて職員室とは反対方向の図書室に向かう

真「今はついて行った方がよさそうだな」

幸「そうだね」

丸「立てるか?」

水島「うん」

ジャッカルとブン太に立たされて前を見る

力のない足取りで前に進む氷月

私はまた悪い事をしてしまった

友達、やり直してくれるかな...

柳「奈々、アイツはそこまで小さい奴じゃない」

水島「うん...」

蓮二が肩に手を置いて言ってくれた
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