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ゲームはお好き?

第5章 準備


水島側

達「まあ、今回のメンバーが確認出来ただけでもいいか」

『達也っ!』

達也と呼ばれている人は一歩後ろに下がった

氷月は今までに見たことない怒りをむき出しにしている

私達は何も言えない

私が言葉を失ったのは氷月のあの言葉

〈だったら先に私を殺しにくればいい〉

氷月の口からあんな言葉が出るなんて

腰が抜けた私はただただ2人の会話を見る事しか出来ない

達「今回10人だね。わかってる?1:9だよ?氷月」

『知ってるさ。さっさと消えろ』

達「いつからこんなに口が悪くなったのか...」

達也さんはやれやれと言った表情をわざと出しているように見えた

達「さあ、裏切り者の氷月は生き残れるのかな?このサバイバルゲームにっ!」

嬉しそうに叫ぶ

『消えろっ!』

氷月もこれまでに聞いた事のない大きな声で達也さんに向かって叫んだ

達「ククク、フハハハハ!俺を楽しませろよ!白川氷月っ!!」

何処からか急に強い風が吹いた

私達は思わず目を閉じてしまう

目を開けた時には達也さんはいなかった

『......』

氷月は私に背を向けて立っている

その背中が辛そうで苦しそうで

誰かが掴んであげないと何処か遠くに行きそうで

私は膝立ちになって氷月の腰に腕を回す

『!』

水島「!」

氷月の体はビクッと大きく揺れた、小刻みに震えだした

私はそれに驚いて

水島「氷月...?」

骨がむき出しになっている肉がない腰に

私の掠れた声が氷月に届いているのかわからなくて

水島「本物の、氷月、なの?」

聞いてはいけない事を口走ってしまった

私の頭には警告のサイレンが鳴り響く

『......』

氷月は何も言わない

何か言ってほしい、違うって否定してほしい!

自分は本物だと言ってほしいっ!

水島「氷月っ!」

大きな声を出して立ち上がり氷月を反転させる

両手でパーカーの襟を掴んで距離を詰める

氷月は後ろに逃げ居て行くが逃がさない

歩く速度を上げて氷月を壁に追い込んでいく
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