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第5章 準備


白川側

思わず廊下のど真ん中で立ち止まってしまった

二重になっている廊下、2人に見えてしまう人物

思わず出てしまった声は掠れていた

『!達也...』

仁「?」

心臓はドクドクと鳴っており頭に直接響いてくる

あそこにいるのは達也で間違いない

あの時の容姿のまんまだ

じゃあ、他の3人も

仁「氷月...」

『...』

仁王に呼ばれて今に戻って来る

そうだ、今目の前に居るのはきっと幻覚だ

焦りから生み出された物なんだ

『雅治、行こう』

仁「ん」

心配な顔をしたままゆっくりとその人物に近づく

その人物の表情は歪んだ笑顔を部屋の中に向けていた

?「誰だっ!」

?「こっちだよ」

今の声に聞き覚えがありまたもや足は止まってしまう

仁「今はの、真田の声じゃな」

『うん、じゃあ皆いるかもしれないよ』

仁「嫌じゃな」

『そうだね』

二重に重なって見える廊下に酔いながらも

真っ白な人物に近づいていく

そいつは急に腕を伸ばした

?「この子も美味しそうだね。アイツには劣るが」

『!』

嫌な予感に足が勝手に動き、手はアイツの腕を掴んでいた

『知り合いに手を出さないでくれるかな?達也?』

達「覚えてたんだ」

腕を伸ばすのはやめたが、腕は引っ込めない

私はソイツの表情を確認する

ソイツの表情はまるで新しいおもちゃを見つけたような笑顔をしていた

体の奥底から怒りが込み上げる

自分でも抑えが効く程度までだが

達「せっかくまた会えたのに、どうしてそんな顔をするんだい?」

『黙れ。君達の狙いは私だろ?どうして彼らを巻き込むんだ』

達「コイツらも力を持ってんだよ。君には到底敵わないくらいが、少しでも持ってるんだよ」

『だったら先に私を殺しにくればいい。奪いにこればいい。彼らには関係ない事だ』

達「君は何もわかっていないんだね。彼は君の被害者だよ?」

『被害者?』

達也は廊下に立っている雅治に指をさした

達「君が力をコントロール出来ていないからこそ、彼にも力が移ったんだよ」

『!!』

そんな、雅治に...

達「少ながらず俺の前にいるアイツらも」

『そん、な...』

血の気が引いた、完全に

私が彼らと関わったせいで

掴んでいた手が緩んでしまった

達也は腕を引っ込めた
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