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第30章 白い桜の木


白川側

『無意味に色っぽい男になりましたね』

父「俺に似たか?」

母「絶対にないわ」

姉「絶対にないね」

弟「絶対、ない」

父「皆していうなよ」

母「ほら、学校よ」

弟「カッコいい親父殿。送って行ってください」

父「よし、行くぞ」

姉「ちょろ」

父親と正樹君は行ってしまった

母「氷月ちゃん。今日の予定は?」

『今日から3ヶ月間休みなので特にありません』

母「フフ、よかったわ。ならこれを雅治に届けてくださる?」

『お弁当ですか』

母「今日は皆午後の授業がない日なのよ」

何となく言っている事がわかった

姉「ちゃんとあのフクロウも隠しておいたわよ。誰のかをね」

『ありがとうございます』

母「少しお昼寝でもします?まだ早いですし」

『そうします』

2階に上がって雅治の部屋に入る

3年前と何も変わっていなかった

元から物が少ない部屋

必要最低限しか置かない部屋である

パジャマ代わりのジャージをベットに放り出していた

『あ...』

机の上にはあの青い箱が置いてあった

中には代わりにあの透明なネックレスが入っていた

チェーンは見事に錆れており、途中から切れていた

『取っておいてくれたんだ』

単純に嬉しかった

てっきりもう捨てられたかと思っていたけど

持っておいてくれて嬉しかった

少し睡眠した後に弁当を持って大学に向かった

仕事着しかないので真っ白な姿で校庭を歩き回る

雅さんの話によるとテニスコートの近くに大きな桜の木が1本だけぽつんと立っている場所があるそうだ

校庭から校舎を見ればたまたま皆の姿が目に入った

涼しい顔で前を見る蓮二がいて

険しい表情でブン太と奈々を見る弦一郎

それを楽しそうに見つめる精市に

それらを冷や冷やしながら見守るジャッカルと比呂士

比呂士の隣は爆睡している雅治の姿が見えた

『フフフ』

1階で講義を受けているとは思っていなかった

雅治が私の視線に気づいたのか私の方を向いた

私はお辞儀をしてその場を去った

そして、雅さんに言われた通りに着たら大きな桜の木を見つけた

その足元には申し訳程度に置かれたベンチが4つ

『ヘヴィ、あの銀髪さんを連れてきて』

「ホー」

ヘヴィはすぐに飛び立ち、来た方向に向かって行った
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