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第30章 白い桜の木


姉「元気にしてたみたいだね」

『はい、お陰さまで』

リビングの入った瞬間に雅さんに強く抱きしめられた

少し強すぎて息苦しかったが待たせてしまった事を思うと

どうしても苦しい事を言えなかった

母「雅、氷月ちゃんが苦しそうだよ?フフ」

姉「え、ごめんね。ついつい」

『大丈夫ですよ』

母親はスーツケースの着替えを取り出して洗面所へと持って行った

姉「雅治ね、10分前に出て行った所なのよ」

『え、今から間に合うんですか?』

姉「多分5分遅刻だと思うよ」

1時間目の講義が始まるのは9時半からで

電車に乗って30分で着くらしい

母「朝ごはんとか食べた?」

『はい、先輩におごって貰いました』

コンコンと庭の窓を叩く音が聞こえた

姉「え?鳥??」

『フフフ』

窓を開けるとリビングの天井付近を飛び回り

椅子に座っていた雅さんと母親が立ちあがった

窓を閉めて2人に向き合う

『ヘヴィ』

名前を呼んでやれば私の肩に降り立った

『ペットのヘヴィです。大人しいので大丈夫ですよ』

母「あらあら、大きなペットね」

姉「触ってもいい?」

『はい。ヘヴィ、大人しくしてくださいね。これからお世話になる方々です』

雅さんは恐る恐るヘヴィに触れた

姉「フクロウも可愛いね」

『はい』

「ホー」

母「お部屋は綺麗にしてあるからゆっくり休んで頂戴ね」

『わかりました』

久しぶりに上がる部屋に自分が生活していた空間を思い出す

いろんな参考書の数々に見慣れたベット

少し分厚めの布団が綺麗にたたんである

ベットの隣のカーテンを開けて部屋に寒いが風入り込む

姉「これからどうするの?」

扉付近に立っていたお姉さんが聞いてくる

『今日は夜に打ち合わせが入っているので帰ってきません。明日の朝にまた帰ってきます』

姉「...怖い?」

『そうですね。未知の存在に等しいですから怖いです』

姉「あの後ね、雅治から色々と聞いたの「学校の七不思議の事」「大怪我の理由」。今でも信じられないけど、それがないと説明がつかない事ばかりだったと思っているわ」

『雅さん...』

姉「私はね、家族で妹の氷月の言葉を信じるよ」

『!』

姉「1人で辛かったよね。大丈夫、此処の家族は皆氷月の味方だよ」

優しく包まれて、私は涙を零した
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