第29章 クリスマスプレゼント
ジャッカル側
「ジャッカル、お前に荷物が届いているぞ」
ジャ「荷物?」
帰ってきて早々に親父の手伝いをしていると
最後の客を見送った所で言いだした
「彼女か?」
ジャ「いねーよ」
茶化す親父を厨房に置いて行き玄関に置いてあった段ボールを持ち上げる
綺麗な字で俺の名前が書かれてあった
不思議と何処かでよく見た字体だと思い
それを持って自分の部屋のベットに腰かけた
ガムテープを剥がして中身を覗くと
青いケースと白い封筒が入っていた
白い封筒をつまんで中身を取り出すと手紙が入っていた
【ジャッカル桑原様へ
いかがお過ごしでしょうか?急にこのような手紙や小包が届いて驚かれたでしょうか?相変わらずお世話係をしているでしょうね。そんな君に誕生日プレゼントです。大切にして貰えると嬉しいですね
白川氷月より】
ジャ「ほんと、氷月が居ないからお手上げだぜ」
世話係の意味を理解した俺は少しだけ溜息を吐いてから
青いケースの中身を見た
中には宝石のような石がチェーンに結ばれていた
俺はそれを見るととても暖かい気持ちになった
高校の時はブン太も赤也も面倒を見て貰ったからな
赤也が試合で相手を傷つけた時は相手の人に頭を下げに行ったり
ブン太が腹減ったーと騒ぎ出すとお菓子を用意していたな
俺もよく相談事を話した覚えがあるな
てか、毎回氷月に誘われて部室で2人きりになると
氷月から話を持ち出されたもんな
あん時はなんか怖かったけど
話すと気持ちが軽くなるし氷月が少しの助言をくれたりして助かったもんな
てか、話す内容が大体バレて居るから話しが勝手に進んでいく時もあるけどな
怪我をしても手当が早いし、安心して部活に取り組めるようになったな
奈々1人の時は危なっかしかったからな
時々転ぶし、流れ球に当たるし
見ていて冷や冷やしたな
そんな事を思い出して机の上に乗せた
部屋を暗くしても月の微かな光で輝く石は美しかった
《待ってて》
氷月の声が聞こえた気がして辺りを見渡しても
誰も居ない
けど、氷月が幽霊でも怖くないと思うな、きっと