第28章 別れと分かれ
どれだ携帯を握っても俺の好きにな彼女から連絡はこん
それはわかっておるのに手は自然と携帯を無意識に掴んでしまう
仁「はぁ...」
柳「仁王、どれだけ携帯に触っていても連絡は来ないぞ」
仁「わかっておるナリ」
幸「溺愛を超えてるね」
幸村は楽しそうに微笑みながら俺を見る
真「仁王、わかっているな」
仁「わかっとる、もう携帯をベンチに置かん」
4月の初めは携帯をベンチに置いておった
したらブンちゃんの勢いが良いスマッシュボールは盛大にはずれ
俺の携帯にダイレクトに当たった
そしてその携帯は修理に出し、ようやく帰ってきた所じゃ
水島「携帯、完全に凹んでいたよね」
幸「仁王の方が凹んでいるけどね」
柳生「幸村君、そんな上手い事を言わなくても」
ジャ「いや、柳生も酷いぞ」
丸「俺、天才的~」
仁「ブンちゃん、試合するか」
丸「...あれ?地雷踏んだ...?」
幸「俺が審判するよ」
水島「天才的妙技が仇となったね」
そのままブンちゃんをコテンパンに叩きのめした
気分も少しだけすっきりした
少し本気で打てばすぐに熱くなり
俺は水道の蛇口を捻って頭から浴びる
水島「珍しいね、あれだけ本気にブン太を落とすなんて」
仁「流石に連絡手段をあっけなく折られたんじゃぞ」
水島「...雅治、氷月は大丈夫だよ」
仁「......」
水島「すぐに無茶をするけど、私達の事を思ってくれているよ。きっと向こうで焦っているかもしれないけど、絶対に帰って来る」
蛇口を捻って水を止める
顔を上げると真っ青な空が見える
視線を水平に下ろして振り返ると
タオルを差し出す奈々の姿が見えた
仁「お前さんも氷月も、そんな人の心の中身が読めるような物を持って居るんじゃったら、察してくれ」
水島「私、氷月みたいに賢くないよ」
仁「知っとる」
タオルを受け取り頭を拭く
水島「雅治のくせに生意気!」
仁「なんじゃ?氷月が取られて嫉妬しとるんか?」
水島「それ、雅治の事じゃないの?」
仁「......」
水島「おー、これが墓穴を掘ったって奴だな~」
仁「にくらたしいのう」