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第28章 別れと分かれ


皆が帰って行き日が落ちてきた

辺りは夕日で赤く染まる

ベットの上に仰向けで寝ていれば

皆が掛けてきた言葉を思い出し涙が溢れてきそうだ

鼻の奥がツーンとなり、目頭が熱くなる

天井がしっかりと見えなければ

頬に生暖かい液体が流れ出る

やっぱり離れたくない、このまま日本に居たい

起き上がってティッシュで涙を拭き、ゴミ箱に投げ入れる

そしてまた寝転がって考える

後、半月で皆に何を残せるのだろうか?

幸せを貰った、楽しさを貰った、涙を知った、優しを貰った

皆から貰ってばかりの私は何を返せるのだろうか?

?「元気がないのう」

『雅治...』

扉を静かに開けて入って来る雅治はそのままベットに腰掛けた

頭を撫でてくれるのも当分はお預けだと思うと

『クス』

笑えて来る

仁「なんじゃ、急に甘えてきて」

『暦上はまだ冬だよ』

仁「そうじゃったな」

『...私は何を返せる?』

仁「氷月?」

『私は皆から貰ってばかりだ。私は何を返す事が出来るんだろう?』

仁「俺らはお前さんから重要な物を貰っとるよ」

『...それは形のある物?』

仁「おう、しっかりとした物じゃよ」

『...分からない』

雅治が私の上体を起こし、私の頭を胸へと押し付けた

そこから聞こえる規則正しい心音が私の不安を取り除いてくれる

仁「お前さんから貰ったもんじゃ」

『...命?』

仁「そうじゃ。あの時、お前さんが先頭に立って俺らを誘導してくれたから今があるんじゃよ」

『でも、それじゃあ』

仁「これだけで十分じゃ。寧ろ、俺らが返したりんくらいじゃよ」

『けど...』

仁「分からん奴にはお仕置きするぜよ?」

『...何で?』

仁「深いキス、とかな」

『雅治!?...!』

胸から顔をあげたら押し倒された

そのまま両肩に雅治の手で押さえつけられ少しだけ痛かった

雅治を見れば真剣な表情で私を見つめる

視線が合えば妖しく微笑みゆっくりと顔が近づいてくる

仁「俺の愛情を注いじゃるよ。忘れんように体に教え込ませたるき」

『阿保な事言ってないで、離してくれない?』

仁「今のお前さんの力なら抵抗を出来るじゃろう?』

『抵抗しても雅治は押さえるんでしょ?』

仁「当たり前じゃ」

私の肩に顔を埋めた

仁「愛しとる...氷月」
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