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第24章 涙


仁王側

奈々の爆弾発言による重たい空気が流れるまま

無言が、静寂が続く

氷月は窓の外を見ておる

幸「泣けないなら、泣かせてあげようか?」

『?』

またまた幸村の発言には驚かされるものだ

幸「泣かせる手段はいくらでもあるよ。例えば「恐怖」とか」

『「恐怖」、ね』

幸「いや、今の氷月には「痛み」の方がいいかな?」

『!』

幸村は立ちあがって氷月の横へやってくる

そのまま幸村の手は布団に掛かっておる氷月の足に触れた

その瞬間に氷月の表情は強張りそこを見つめておる

幸「此処を抑えてみようか?」

『...なんで、かな?』

声に焦りが生じておる

幸「筋肉痛じゃない?昨日あれだけ歩いたんだからね」

そう言って幸村は氷月の足に圧力を掛けていく

『ッ!』

氷月は痛みに顔を歪める

真「幸村!」

柳「弦一郎、やめるんだ」

今にも幸村に飛びかかろうとしておった真田は参謀に止められる

柳生は何も言わんし何もしん

それは俺も同じじゃ

幸「痛いだろ?泣いてもいいんだよ?それとも俺達の前じゃ泣けないかな?」

『...!』

幸村はまだ圧力を掛けておる

氷月はベットのシーツを強く握りしめておる

暫くして状況が変わらんくなり幸村は手を離す

幸「...どうしても泣いてくれないんだね」

退屈そうに微笑みながら椅子に座る

痛みで息を止めておった氷月は肩を使って息を整えておる

辛かった

だから

『?』

仁「氷月...」

俺はそのまま抱きしめた

少しぐったりとしておる体はなんの抵抗もなかった

仁「言ったじゃろ?どんな事も受け止めると、忘れたんか?」

『忘れてないよ』

仁「氷月」

『......』

仁「お前さんは「白川氷月」じゃ。元を生んでくれたのは、氷月を生んでくれたのは誰なんじゃ?」

『!』

仁「お前さんをこの世に産んでくれたのは誰じゃ?お前さんに最初、名前を付けたのは誰じゃ?飯を作ってくれたのは?服を着させて貰ったんは?最初に添い寝をしたのは?考えるんじゃ、思い出すんじゃ氷月」

『......』

仁「お前さんは、誰の子じゃ?」

『誰、の子?』
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