第24章 涙
自分の、両親...
事故で死んだと見せかけた七不思議の罰ゲーム
ジャ「おい、奈々...」
水島「私のお母さんも事故にあって、死んではいないけど悲しくて...」
奈々の言いたい事はわかる
自分はすごく寂しがり屋で泣き虫だから
自分と似た今の状況で私の心が精神が大丈夫なのか
言っておくが、彼らの前では泣いた事がない
と言うか、3年前の七不思議の時から泣いた事がない
どれだけ他人から虐められようがどんな事されても泣く事はなかった
それは自分が壊れていたから
悲しい、苦しい、痛い、寂しい
そんな感情があっても涙を流して泣く事が出来ない、忘れてしまった
『奈々、今から言う事はとても酷い事だけど、聞いてくれる?』
私の脇腹に顔を埋めた奈々が首を縦に振った
『あの時は非現実的な事が目の前で繰り広げられすぎて頭がついて行かなかった。心は元から壊れていたからわからなかった。目の前で死んでいく両親はどこか夢のような気がした。今では雅治のご両親にお世話になっているから、自分の両親の事はもう記憶が薄い。覚えているのは、あの日に3人で食卓を囲んだ時だけ。白状でしょう』
少しだけ微笑んで奈々の頭を撫でる
水島「今は、苦しいの?」
『ううん。全然。もうあんまり覚えてないからね。クス、酷い人間だろ?』
奈々は私を強く抱きしめて首を思いっきり横に振った
水島「そんな事ないよ。だって、いつかは忘れちゃうんだもん。氷月は悪くないよ」
『奈々』
水島「じゃあ、泣いてよ」
『!』
水島「泣いてよ、氷月」
何かが私に刺さった、グサッと奥まで刺さった
水島「泣いてもいいんだよ?今までは1人で耐えていたんでしょ?でも、今は私達がいるんだよ?もう1人じゃないんだよ?だから、泣いてもいいんだよ氷月」
『ごめん、泣けない』
水島「なんで?」
『泣き方を、忘れた。「悲しい」感情が消えている。わからない。前と思うと心は正常になってきた。だけど精神状態は不安定なんだよ、きっと』
水島「ごめん、ジュース買ってくるから」
そう言って病室から出ていくと、赤也、ブン太、ジャッカルが付いて行った