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第23章 新しい事


勿論、その術を発動させるのにも条件がいくつかあった

1つ、念の込めた何かを相手が持っている事

1つ、自分の血が相手の何処かに付いている事

1つ、自分の持っている記憶がしっかりと自分の物と理解している事

この3つが条件であった

念の込めたものは雅治と精市に投げて貰った白札の事

そこに文字を書いたのは相手を足止めするための言葉

自分の血なんて刺された時に大量に付着している

そして、一度は信用出来なくなった自分の記憶は

皮肉にも達也達に思い知らされた、目の前で起こった事は確かだったと

これらの条件が揃って、これを思ったのは体の節々が痛み

雅治の悲痛な声が私を小さく呼んでいたあの時だった

本当は相手を足止めてしてから除霊でもやってやろうと思ったが

そこで自分が捕まるなんて阿保な失態をしてしまったからだ

だからやった事もなければ結界以外なんて使った事のない事を実行した

彼らを守りたいから、彼らを死なせたくないから

自分は、正直に言えば死にたくなかった

だけど、彼らが助かるのならばいいのではないか思った

それでも死にたくない方面が表に現れて

気づいた時には、自分の記憶を犠牲にして相手に封印を掛けていた

成功しろなんて思っていなかった

ただ、相手の動きを止めて自分が早く助かりたかっただけであった

公「まあ、綺麗に封印が解けて記憶が戻ってきてくれてよかったよ」

『なんで?』

公也は優しい表情をしながら私に近づいてくる、ゆっくりと

公「...なんでも」

『そっか』

なんとなくわかる

公也は私を守ってくれるために術を教えてくれたんだ

それが役にたって、今生きていて

きっと嬉しいんだ

『公也も素直じゃないね』

公「なんだよ」

『別に』

公「...お前、変わったな」

『何が?』

公「性格、明るくなったな」

『そう?』

公「その方がいいぜ。お前、笑うと可愛いんだから」

『幽霊に言われても恋も出来ないよ』

公「ムッかつくなー!」

『でも、ありがと』

術を教えてくれて、こんなのに付き合ってくれて

公「...おう。でも、お前がその力を持っている限りは狙われる、また別のに」

苦しそうに言う公也になんだか申し訳ない気持ちでいっぱいだった

『わかってるよ』

公「俺、行くわ。仁王来るし」

『ん、ありがと』
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