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第23章 新しい事


案の定、奈々が階段を踏み外した

氷月はその場で止まって奈々の腕を掴みかえして引っ張る

前に出しておった足には相当力を入れて奈々を懸命に引っ張る

そして、奈々の体は階段とご対面するわけなく

コケる瞬間を止められた、なんとの阿保丸出しの格好じゃ

『奈々、重い...』

水島「ムッ!失礼ねっ!」

そう言って暴れだす奈々は

『もう、無理...』

水島「あれ...?」

落下再開じゃった

幸「相変わらず騒がしいね、奈々」

仁「そうちょっと体重つけてから支えるんじゃな、氷月」

幸村は奈々を、俺は氷月を受け止めた

水島「何よ!それ!!」

幸「はいはい、写真撮るんだろ?」

水島「うんっ!!」

そう言うと奈々はまた走って下に下りて行く

『ありがとうございます』

仁「どういたしましてじゃよ」

氷月の体をゆっくりと戻して立ちあがらせる

仁「お前さんも災難じゃのう」

『まあ、そうですね』

仁「......」

『奈々が急に現れたかと思ったら急に腕を引っ張られましてね』

やっぱりコイツハ隠して居る

記憶が戻った事を心配掛けんように

仁「記憶喪失のフリはもう仕舞じゃ」

『?なんの事でしょうか?』

仁「わからんと思っておるのか?」

『......』

仁「俺達の呼び方じゃよ。お前さん奈々の事を「奈々」と呼んどるき」

『...成程、そこは盲点でしたね』

閃いたような表情を零して

水島「お2人さーん!早く早くっ!!」

コートには既に全員が集合しておった

近くのカメラマンを捕まえてデジカメを持たせておる

『行きましょう。これ以上遅れると精市に怒られますから』

仁「そうじゃな」

俺達は一緒に階段を下りた

奈々から場所を指定され真ん中よりも左寄りで前には氷月がしゃがんでおる

そしてカメラのシャッターが押された

フラッシュが少しばかり眩しかったが

それでもコイツと一緒に居られるのは嬉しかった

『では、お先に戻りますね』

そう言ってすぐに俺達の輪から外れ階段を上っていく

その後ろ姿を抱きしめたかった
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