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ゲームはお好き?

第3章 信用


『向こうはゲームだって言った。そしてこれが敗者の証』

仁「そんな、事...」

右目に手を当て、胸の上にもう片方の手を乗せる

血の気がなくなった

俺の顔から

体から

氷月の全てを知った瞬間に

体の中心からハッキリと音が耳に入る

それはとても遅く、大きく動いておる

仁「氷月」

『これが起こったから君達に会えた。代償は私の日常全てだけどね』

苦笑しながら自嘲しながら言った

今日だけでいくら名前を呼んだんじゃろう

軽く10回は超えとるはずじゃ

ドクドクと次第に速さを増していく

そして、気づいた時には氷月を押し倒し

その上に多い被っておった

氷月の体に、俺の体が完全に覆いかぶさった

氷月の顔の左肩の上に俺の顔を

俺の胸は、膨らみが薄い氷月の上に

そこからしっかりと氷月の命を感じる

そのまま全てに覆いかぶさった

俺の全体重を押し当てた

『雅治』

仁「頼む、今はこうしてくれ。俺が怖いんじゃ」

『......』

氷月の命を体全体で感じ取りたい

その冷えた体に体温を上乗せしてやりたい

今聞いた話が間違っておらんのなら

氷月は近い内に向こうに行ってしまう

その時、氷月が戻って来るのかはわからん

向こうで死んでしまうのか、帰ってきてももうその人物は氷月なのか

怖い、俺から氷月を奪わないでくれ

傍にいてくれ、何処にもいかんでくれ

『多分、向こうに行ったら帰ってこれないかもしれない。向こうは完全に...んっ!』

聞きたくない、言わんでくれ

それ以上はやめてくれ

その続きを聞きたくない俺は

氷月の口を奪う

深く深く、隙を見つけて舌を入れれば氷月の目は見開き

俺に抵抗してくる

そんな細い体では俺をどける事も、何も出来ん

『んっ、はぁ...』

何度も深い口づけを行えば

氷月から熱く甘い吐息が零れる

左手で氷月の右手を握り

右手で頭を抑える

これ以上続ければ歯止めが効かなくなる

息が限界に近いのか俺の手を強く握り返してきた

それを合図に俺は顔だけ離れた

『っ!はぁ!』

口を解放すれば氷月の胸は上下に動き

目には涙を貯めていた
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