第22章 受け入れ
白川側
大きな図書館に来ていた
天高くまで棚が立ち並び、真上を見てもどれだけあるかわからない
本棚には番号が振り分けてあった
その本棚を順に見て行くと1~18まではあるが
19以降の本棚には何も本が無かった
18の番号が振られている本棚には他の本棚と比べると
本の数が明らかに少なかった
一冊の本を手に取ると図書館から場面が切り替わり
何処かの施設に飛んだ
真っ赤な満月が廊下を照らしている
目の前には私が2人立っており
いつもお見舞いに来てくれる人達が立っていた
ズボンを履いた私がスカートを履いている私と対峙している
その光景には見覚えがあり私は食い入るようにそれを見る
セリフも事細かく聞こえてくる
?「これはお前の過去の記憶だ。白川氷月」
『!』
声の聞こえたほうに振り返ってみると
灰色のロングコートを羽織っている背の高い男性が1人立っていた
島「俺は島崎涼介だ」
この人は見た事も無ければ知らない人だ
島「俺はお前の記憶を解放した張本人だ。お前はコイツらを守るために自らの「記憶」を犠牲にして朝倉恵子を封印した」
『朝倉、恵子?』
島「ああ、そうだ」
先程の図書館に戻れば島崎さんは15の本棚から一冊を抜き取った
島「これに書かれてある」
島崎さんは私にその本を渡すと私は迷わず本を開いた
場面がまた切り替わり病院の個室であった
此処よりも少し薄暗く目の前には見知った顔をがあった
その顔の前には抜け殻状態の私がいた
白衣をきた女性はポケットから穴の開いた硬化を取り出すと
糸に括り付けて抜け殻状態の私の目の前で左右に振っていく
抜け殻状態の私の顔は次第に強張り、体が固まると
過去に起こった事を途切れ途切れに話していく
それを聞いた先生はノートにペンを走らせていく
書き終わった事には私の体はぐったりとしており、肩で荒い息を整えていた
島「朝倉恵子はお前が入院していた精神病院のカウンセラーだ。お前の過去を聞き出そうと無理やり催眠術を使って喋らせているんだ」
『精神、病院...』
そうだ、私は3年前にも入院していた
2日間の行方不明による記憶障害が発生しているのでないのかと
カウンセラーの許可の元で行方不明時に何をしていたのかを思い出していた
『そう、か...』