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第21章 夕方


仁「信号機の色が変わる順番を見ておったんじゃ」

丸「え?赤、黄、青のか?」

柳「...そう言う事か」

幸「青、黄、赤。あの時満月の色が変わった順だね」

柳生「!それでは...」

仁「少しだけじゃが思い出しておった。そこだけじゃがのう」

水島「その後は?」

仁「何事もなかったかのように寝た。今日は午前で終わるが、午後からになれば夕日を見つめる事をするじゃろう」

ジャ「それはマズいんじゃ」

切「先生に頼めないんスか?」

真「先生も暇ではないだろう」

丸「電話とかはどうだよぃ!」

幸「それしかなさそうだね」

仁「一応、携帯を渡してきたぜよ。不安があったら掛けるように言ったんじゃが」

柳「俺達に気遣って掛けてこないだろう」

仁「そこなんじゃよな」

俺達の時期を知っておる氷月だからこそ

例え思い出したとしても電話を掛けてこんじゃろう

不安があったらなんて言うんじゃなかったぜよ

しかも、アイツは病院内での電話は極力控えるように看護師に言われておった

余計に電話をしてこんじゃろうな

何かと話し込んで居れば試合時間の30分前になった

S3から行われる試合、赤也はアップをしに走りに行った

ブンちゃんが軽い打ち合いをすると言って赤也を一緒に走りに行く

それを俺は見る事しか出来ないが、今日はポケットに携帯を入れている

ポケットの中身を握り締め何時でも電話に出られるように

柳「仁王、そんなに握り締めても今度は携帯が壊れるぞ」

仁「ん、わかっとる」

携帯から手を離して残りのメンバーは試合会場に向かう

九州地区の代表校と対戦するようだ

赤也の対戦相手は誰がどう見てのパワー系の選手

服から盛り上がっている筋肉の量は半端な物じゃない

沖縄の大きいヤツよりもパワーがありそうじゃ

身長もそれなりにあるが足も長い

腕のリーチもあるし、なんでテニスに来たんじゃろうな

挨拶が終わり試合が始まれば俺はすぐに奈々へ携帯を渡した

俺も一応選手登録をされておるからのう

赤也は前半押されておった

相手から打ち返されるボールが重く、コートを的確に射貫いておったからじゃ

自分の不得意なコースで甘いボールを返せば3倍以上の重みで返ってくる

後半はデビル化によって相手を負傷させ試合が終わった
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